第54話

リースは私の人生から姿を消した。

刑務所にいようが病院にいようが、死んでさえいなければどうでもよかった。

よく晴れた金曜日のこと。私はニクス・コレクティブのスタジオで、デザインしたばかりのネックレスをうっとりと眺めていた。

社員特典を使って特注したものだ。私のデザイン、私の素材、私のサイン、私のすべて。

文字通り、世界に一つしかない。

そして二日後には、イヴェインの誕生日プレゼントになるはずだった。

その完璧さに息をのむ間もなく、携帯の画面がイヴェインの名で光った。

クソッ。まさかバレた?

サプライズが台無しだ。

覚悟を決めて、電話に出る。

代わりに聞こえてきたのは――

「あのクソ野郎! 次に...

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