第108章 罠にかかる

北西角のボックス席。

チャラついた男たちが数人、酒をあおりながら下世話な話で盛り上がっていた。

そこへ、花柄シャツ姿の堂本哲夫が遅れて現れる。襟元はだらしなく開き、覗いた首筋には――見ているだけで察しがつく痕跡が散っていた。

「堂本若様、やっとお出ましっすね。今回はどの小悪魔のベッドで名残惜しくしてたんです?」

「うるせえよ」

堂本哲夫は相手の脛を軽く蹴り、赤ワインをぐいっとあおる。

そして乱暴に髪をかき上げ、にやりと笑った。

「で、今夜のパーティーはどうだ。いい女はいるのか?」

途端に、二世たちは顔を見合わせ、口をつぐむ。

堂本哲夫の眉がぴくりと動く。陰のある視線が、鈴木...

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