第12章 離婚を提訴するつもりだ

「……前は、私が悪かったの」九条知夏は淡い声で言った。「ごめんなさい。あの頃は何も分かってなくて……取り返しのつかない失敗をして、やっと目が覚めたのよ……」

「後悔?」

九条司の胸が、ぐっと詰まる。次の瞬間、羞恥が怒りに変わって噴き出した。

「今さら分かったって? 遅ぇんだよ。離婚したい? ふざけるな。俺は絶対に、お前の思い通りにはさせない!」

脇にいた清水環奈は、自分のさっきの一言が九条司に届いていないと確かめて、ようやく息を吐いた。

――のに。

「離婚はしない」と決然と言い切られた途端、胸の底がすとんと冷えた。

まさか……司は、知らないうちに九条知夏に気持ちが――?

その...

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