第131章 療養所

清水三郎はうなだれたまま、しばらく黙っていた。だが次の瞬間、はっと顔を上げて温井知夏を見た。

「父さんと母さんが……兄さんを、入れたんだ……」

入れた?

どこへ――?

温井知夏はすぐに身を乗り出す。

「あなたのご両親が、お兄さんをどこへ入れたの?」

「りょ、う……よ、う……い、ん」

清水三郎はやけにゆっくり、ひとつひとつ噛みしめるように言った。顔には露骨な拒絶が浮かび、その施設の名を口にするだけで嫌悪が滲む。

温井知夏は焦らない。声を柔らかく落として宥める。

「大丈夫。緊張しなくていい。ゆっくりでいいから」

相手の呼吸が少し落ち着くのを待ってから、改めて訊ねた。

「その...

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