第178章 ただの他人

「温井さん、司が本当に重症で……あなた、少しは――」

「私に関係あるの?」

温井知夏は声をひやりと落とし、相手の長話をぶった切った。

その冷淡とも取れる一言に、宮野正彦は眉間に皺を寄せ、納得いかないとばかりに言い返す。

「関係ないわけないだろ?! 司が酒に溺れてるのは、全部あんたのせいだ」

「……ふふっ」

温井知夏は思わず吹き出した。

「温井さん、何がそんなにおかしいんです?」

「あなたたち、ほんと笑える。類は友を呼ぶって、まさにそれね」

温井知夏は一語一語に棘を仕込む。

「九条司はいい大人でしょ。やっていいことと悪いことくらい分かるはず。……それとも、みんなで『あいつは...

ログインして続きを読む