第18章 催産される

「お義母さん……杏奈はまだ4歳よ。まだ小さいんだから」

九条知夏は唇を噛み、取り繕うようにそう言った。

けれど胸の奥では分かっている。自分が九条司の子を、もう一人産むことはない。

ふっと、去年のことがよみがえった。

本家で正月を過ごし、別邸に戻ったあの夜。知夏は自分から司に「二人目」の話を切り出した。

男はそれを聞くなり眉をきつく寄せ、露骨に不機嫌な目を向けた。

今でも、司が吐き捨てた言葉を、知夏は鮮明に覚えている。

「子ども一人で俺を結婚に追い込んだだけじゃ、まだ足りないのか」

「今度は俺から何を取るつもりだ」

「知夏……お前、本当に気持ち悪い」

一言一言が冷たい刃にな...

ログインして続きを読む