第186章 だ、だめ

「……つまり、あなたと津崎詩織は血が繋がってないってことか?」

「そうだ」黒崎冬馬は頷いた。

――なるほど。だから津崎詩織は黒崎冬馬を、あそこまで露骨に狙っていたのか。

合点がいった。

血縁がないなら、結婚だってできる。

温井知夏は眉を上げ、遠慮なく言い切る。

「母娘そろって、あなたを落とす気よ」

「……ああ」黒崎冬馬は小さく頷き、眉間にわずかな皺を寄せた。目の奥に冷たいものが走る。

以前は、そこまで深く考えていなかった。

だが今夜、あの母娘の言動で確信した。

「知夏。俺には好きな人がいる。あの人が誰か、お前なら分かってるはずだ」黒崎冬馬は彼女の目をまっすぐ射抜く。「他の...

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