第46章 どこにキスした?

「熱でもあるのか?」

頭上から、男の優しい問いかけが降ってくる。

温井知夏は視線を持ち上げ、彼――黒崎冬馬の伏せられた眼差しとぶつかった。

やけに深く、どこか昏い。

どくん、どくん、どくん――

心臓が、踊っているみたいに騒がしい。

知夏は目を伏せ、言い訳めいた声でごまかした。

「い、いえ……ちょっと、息苦しいだけで……」

黒崎冬馬は深く考えなかったが、それでも掌をそっと彼女の額に当てた。

熱い。けれど、発熱の「燃えるような熱」ではない。

そのときだった。

背後から誰かに押され、黒崎冬馬の身体が知夏のほうへ傾く。俯いた拍子に、彼の唇が――狙ったわけでもないのに、知夏の額へ...

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