第50章 黒崎神

「文句言うなよ。来世はいい家に生まれな」

どっと笑いが起きた。

温井知夏は、ただのクラス会だと思っていた。ところが来ている顔ぶれは、同じ学科だけじゃない。他学部の学生まで、けっこう混じっている。

みんな、見た目がすっかり変わった者もいれば、あまり変わらない者もいる。とはいえ、誰の顔にも少なからず歳月の風が刻まれていた。

知夏は早生まれで、成績も良く、学生時代に二度も飛び級している。大学を出たときで、まだ二十歳を少し過ぎたくらいだった。

だからこそ、この場にいる誰よりも、彼女は今も若くて綺麗だ。――けれど、心だけは別だ。失敗した結婚を経て、気持ちはとっくに若さから離れてしまっている。...

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