第67章 家族

「お母さん、まずは見てから言って。気に入らなかったら、私が返品してくるから」

温井知夏がぱちぱちと目を瞬かせながらそう言うと、そこまで言われては、温井千代も受け取らないわけにはいかなかった。

どうせ軽く中を確認するだけ――そのつもりで箱を開けた。けれど、中身を目にした瞬間、温井千代はその場で凍りついた。

箱を握る手がぶるぶると震える。声もかすれていた。

「こ、これ……この翡翠の仏像、どうしてお父さんのあれとこんなにそっくりなの……?」

「そっくりなんじゃないわ」温井知夏はやさしく、けれどはっきりと言った。「これ、お父さんが生前ずっと身につけていた、その仏像なの」

温井千代は息を呑...

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