第79章 九条美幸に異変が起きる

「お母さん、分かってる」温井知夏はそっと温井千代を抱きしめ、落ち着かせるように言った。「今回は私の不注意だった。約束する、これからはもっと慎重に行動するから」

温井千代は娘に甘い。結局、何度も「気をつけなさいよ」「無茶しないで」と念押しするしかなかった。

……

九条家の父娘は車で屋敷へ向かっていた。

道中、九条司のスマホがけたたましく鳴った。本家からの着信だ。

「……もしもし」

「若様! やっと繋がりました!」

執事の声が、完全に取り乱している。

「どうした」九条司は眉をひそめた。

「奥さまが……奥さまが倒れられました……!」

通話を切ると、九条司は運転している秘書に短く...

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