第80章 危篤状態

「すぐ戻る!」九条司は息せき切って手術室へ駆け戻った。

「どうなんだ?」

執事が答える。

「医師がまもなく出てまいります」

手術室の扉が開いた。

白衣の医師が出てくる。

「先生、母は……容体はどうですか。安定しましたか」九条司の声は、かすかに震えていた。

「九条さん。ひとまず命の危険は脱しました」医師はそこで言葉を切り、険しい顔つきになる。「ですが、決して楽観できません。入院して経過観察が必要です」

「……分かりました」九条司は嗄れた声でうなずいた。

医師は続ける。

「それから――お母さまの腫瘍は悪性の急性腫瘍です。再発すれば致死率は高い。ご家族は、いつでも覚悟をしておい...

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