第85章 案を出す

給湯室の外では、通りがかりに社員たちの噂話を耳にした秘書の顔色が、さっと曇った。低く押し殺した声で叱りつける。

「持ち場で仕事もせず、ここで何をくだらない話してるんですか!」

声に驚いて振り向いた数人は、相手が社長付き秘書の小林友岡だと分かった途端、顔を青くしてぴたりと黙り込んだ。

「さっさと自分の席に戻ってください」

「今後、勤務時間中にまた無駄話をしているのを聞いたら、厳重に対処します」

数人は肩をすぼめ、うつむいたまま小さく答える。

「……申し訳ありません」

そのまま逃げるように、それぞれのデスクへ戻っていった。

小林友岡は眉間にしわを寄せたままスマホを取り出し、九条司...

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