第88章 彼女を守る

「――っていうか、私があの立場なら、とっくに恥ずかしくてここになんかいられないけど」

入江佐知は顔を赤くしたり青くしたりしながら、うつむいたまま惨めったらしく床から立ち上がった。逃げるようにタクシーを拾い、そのままショッピングモールを後にする。

帰りの車中でも、怒りはちっとも収まらなかった。思い返せば返すほど腹が立つ。入江佐知はスマホを取り出し、九条司へ電話をかけた。

九条グループ、社長室。

画面に表示された叔母の名前を見て、九条司は眉をひそめた。数秒置いてから、ようやく通話を取る。

「もしもし、叔母さん」

「司、あんた今どこにいるの?!」

ずいぶん刺々しい声音だった。

九条...

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