第11章

身支度を済ませ、髪を乾かした柚木結華は、布団を頭まで引き上げてそのまま眠りに落ちた。

どれほど時間が経ったのか。階下で誰かがドアを叩く音がした。中から返事がないのを分かっているはずなのに、しつこいほど諦めない。

まるで――結華が家にいることも、わざと無視していることも、全部お見通しだと言わんばかりに。

身体がだるい。寝返りを打ってもう一度眠ろうとしたものの、どうにも寝つけない。もぞもぞと布団の中で体勢を変えていると、今度はスマホの着信音が鳴った。

「結華! 大丈夫!? 早く開けて! 心配でたまんない!」

結華が何か言うより先に、千堂椿の声が受話口から飛び込んでくる。早口で、焦ってい...

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