第15章

柚木結華は必死に抵抗して「行かない」と身をよじった。けれど九条獅堂の力には到底かなわない。手首を掴まれたまま、ずるずると部屋の中へ引きずり込まれる。

「痛い……痛いってば」

怒り混じりに訴えると、九条獅堂は振り返り、さっき握っていたあたりへ視線を落とした。そこは確かに赤く染まっている。

――この女、肌が柔らかすぎる。少し触れただけで、すぐ跡が残る。

胸の奥に、言葉にできない感情が湧いた。

壊れやすいと分かっているのに、それでも味わいたくなる。確かめたくなる。

彼は一瞬、結華の悔しそうに歪む顔を見て、顎をきつく噛みしめた。

「ここで待ってろ」

命令に近い声音だった。二歩ほど歩い...

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