第48章

個室では、気品をまとった男が席に腰を据え、柚木結華の表情の揺らぎを余すところなく見届けていた。男がふっと手を上げると、それだけで意図を悟った者が小さく頷く。

原石が運び出されると、柚木結華の視線はそれを追い続けた。隣の個室へ押し込まれていくのを見届けて、ようやく名残惜しそうに目を戻す。

……惜しい。

瞳の奥にかすかな落胆を滲ませながらも、顔は先ほどと同じようにおっとりとした静けさを保ったまま、席に座り直した。

「気に入ったか」

九条獅堂は、しばらく口を開いていなかったせいか、声が少し掠れている。

柚木結華はさらに俯き、囁くように答えた。

「……ああいうの、なかなか出会えないので...

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