第7章

少し歩いたところで、九条獅堂の部下が一室の前で足を止めた。

柚木結華が目で問いかける。

「九条社長が中でお待ちです」

そう言い終えると男は扉を開け、結華が入るのを見届けてから、するりと戸を閉めた。

ぱたり――光が断ち切られ、室内は一瞬で闇に沈む。

気が利くにもほどがある。

結華は心の中で毒づきながら、目が慣れるのを待った。

カーテンは閉じたまま、照明も落とされたまま。

ソファの上に男の輪郭だけが浮かび、余裕たっぷりにこちらを眺めている。

結華は口を開きかけて――すぐに思い直した。相手は九条獅堂。常識で測れる男じゃない。

下手に指図でもしたら、何が起きるかわからない。

結...

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