第14章 警戒

川島治は慌てた様子で鍵を持ち去った。

来栖琴音は、彼の説明を信じなかった。

翌日。月乃を学校へ送ったあと、琴音は馬田さんに電話をかけ、口ぶりから家の住所を引き出そうとした。

ところが馬田さんは、昨日と言っていることが違った。

「琴音さん、私の勘違いだったかもしれません。あのとき『金楽邸』のフルリフォーム済み物件を買いたいってお客さまがいて……うちで仕上げたのが一戸だけで、ちょうどそれをお宅に引き渡した直後だったんです。それで川島社長に鍵をお借りしたら……そのまま、なくしてしまって……」

琴音の胸がひやりと冷えた。思わず声が尖る。

「昨日はそんな言い方、してなかったでしょう!」

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