第15章 食事

ロビーに入ると、店員が先に予約していた個室へ案内してくれた。

円卓の脇を通りかかったとき、ちょうど川島治の秘書、野村さんの姿が目に入る。スーツ姿で、同席している連中に持ち上げられながら次々と酒を注がれていた。

来栖琴音は思わず目を瞬かせた。

――野村さん、いまや随分いい位置にいるじゃない。

彼女が会社に採った頃は、まだ青臭い大学生だった。それが自分の下で二年鍛えられ、川島治のもとへつけた。肩書きは「秘書」でも、川島治の話では営業部まで任され、二つの役を兼ねているらしい。

あれから五年以上。野村さんは会社を支える中核になり、川島治の右腕にまで成長していた。

野村さんもすぐに琴音たち...

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