第167章 名残惜しさ

浅野琉生は首を振った。

「そこまでじゃないよ。受けたいなら受ければいい。拓越テクノロジーにとっては小さくない案件だし、ちょうど君のところは仕入れ先を替えたばかりだろ。いい練習になる」

来栖琴音は、まさか本当に「やれ」と言われるとは思っていなかった。

……そうだ。自分みたいな小さな会社が、御冠グループに影響なんて与えられるはずがない。思い上がりもいいところだ。

それに、何かあるたび浅野琉生に意見を求めるのも良くない。これは、明らかに健全じゃない。

来栖琴音は胸の内で自分に言い聞かせる。

浅野琉生に、頼りすぎないこと。

この人は「好きだ」と言う。けれど、それは危険が消えたという意味...

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