第168章 逃げるより直面するほうがましだ

来栖琴音が黙ったままでいるのを見て、高橋栄美は本題に切り替えた。

「琴音、あの案件、ちゃんと調べておいたよ。もともと請け負ってたのは宏源。全体が一段落したところで、急に追加契約をねじ込んできた。宏源としては当然取りたい。でも川島治が手を尽くしてさ。結局、邦朗としても相手としても、どっちも敵に回したくなくて……それで拓越テクノロジーに回ってきたってわけ」

来栖琴音は思わず舌打ちした。

なるほど、二社が争って、その隙間に自分が滑り込んだ。だからこんなうまい話が転がってきたのか。

「案件がなんであんたのところに来たか、深く考えなくていいって。川島治からの詫びだと思っときなよ。だってあのクズ...

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