第174章 愛することと愛さないことの違い

来栖琴音は彼にじっと見つめられて、背筋がぞわりと粟立った。けれど両親がいる手前、きつく言うこともできない。頬を赤くして俯き、視線の端でそっと両親の表情をうかがう。

来栖の父は目つきが鋭く、抜け目のない男だ。いまも品定めするような眼で、浅野琉生をじっと観察している。

来栖の母でさえ、相手の言葉に含まれた意味を察したらしい。視線が二人の間を行ったり来たりした。

誰かが口を開くより先に、浅野琉生が続ける。

「来栖さん。来栖琴音さんを、少しだけ外へ連れ出してもいいですか。誕生日を、最後まで一緒に過ごしたいんです。明日の朝、外せない会議があって……夜には戻らないといけない。でも帰る前に、必ず彼...

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