第18章 とても憎い

彼女が黙り込んだのを見ると、川島治はタオルを肩にラフに引っかけたまま近づき、手を取って、柔らかな声で言った。

「ほら、琴音。仕事の話は急がなくていい。今日は一日疲れただろ。先にシャワー浴びておいで」

来栖琴音は、川島治がそう簡単に折れないことをわかっていた。

自分が会社の実権を握っている立場だったとしても、誰かに権限を分けたくはない。ましてや、警戒している相手ならなおさら。会社に来られて、毎日自分の監視下に置くような形になるのも、川島治は望まないはずだ。

「……わかった。あなたは先に寝て」

娘のために、何度も「子ども部屋で月乃と寝る」だの何だの言い訳して逃げてきた。けれど月乃は学校...

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