第194章 ただの悪

朝イチでこんな耳障りな言葉を浴びせられて、来栖琴音は危うく朝食を吐き戻すところだった。

彼女は施しでもするみたいにまぶたを持ち上げ、川島千晶を見た。視線は、はっきりと膨らんだ腹に落ちる。鼻で笑い、冷たく言い放つ。

「やっぱり人の言葉がしゃべれないんだね。ここで何をぐちぐち言ってるの? そんな汚い言葉ばっか吐いてたら、生まれてくる子の口まで腐るよ。クズ、クズって……それしか言えないの? ああ、違うか。男をたぶらかすのも得意だったね。十代の頃からやってきた商売だもんね、手慣れたものでしょ。じゃなきゃ不倫相手から正妻の座にまで上がれない」

川島千晶は怒りで顔色を青黒くし、瞳に火を宿して琴音を...

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