第20章 試し探り

彼女はスマホの画面をぼんやり見つめたまま固まっていた。月乃に声をかけられて、ようやく我に返る。

「ママ、電話鳴ってるよ!」

「ママ、部屋で電話してくるね。月乃ちゃんはソファでテレビ見てて」

来栖琴音は自室に戻り、通話ボタンを押した。

受話口から、伊藤心優の弾むような声が流れ込んでくる。

「昨日の夜、わざわざ電話してきたの、なに? 用事?」

「大忙しの人がやっと手が空いて、私みたいな暇人のこと思い出したの?」琴音は皮肉っぽく笑い、続けて問う。「出張中じゃなかった? なんで電話できるの?」

「ずっと働きっぱなしなんて無理だって。私、ロボットじゃないし。たまには休ませてよ」

心優は...

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