第200章 人前で恥を晒させる

来栖琴音は胸の奥がひやりと冷えた。川島治が見ていたのかどうか――賭ける気にはなれない。相手を睨みつけ、吐き捨てる。

「卑怯者」

川島治が口を開くより先に、ひとりの女が近づいてきた。

琴音が目を向けると、森本千香だった。千香は琴音を見つけるなり、にこにことからかう。

「琴音さん、やっと話せる機会ができた!」

そう言いながら川島治へ視線を移し、最後に彼が差し出しているグラスに目を落とす。

「私……邪魔しちゃいました?」

川島治が一歩前へ出た瞬間、横から突っ込んできた男に肩をぶつけられた。男は慌てて頭を下げ、足早に去っていく。

川島治は気にも留めない。視線はずっと琴音に貼りついたま...

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