第21章 親友の家の鍵

伊藤心優は何気なく鍵をバッグへ放り込み、淡々と答えた。

「私が買ったってほどじゃないよ。仮住まいってだけ。いつか、ふらっと出ていくかもしれないし!」

それを聞いた来栖琴音は、やはりと胸の奥で頷いた。――この部屋、きっと川島治が心優のために用意したものだ。

もし彼女が正妻の座を手に入れ、社長奥様になったなら、この家は当然、彼女のものになる。

だが、もし自分にバレたら――追い出される。

「自分の物なら、怖くないでしょ!」と言い切った来栖琴音は、キッチンから飲み物を持って出てきた伊藤心優を見て、思わず言葉を飲んだ。

心優は肩をすくめ、飲み物を琴音の手に押し込むと、軽く笑って返す。

「...

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