第26章 キスマーク

来栖琴音は苦笑を浮かべた。

「今日、急にお金が必要にならなかったら……カードの残高が消えてることすら、私、気づかなかった」

川島治がいつ、どこで、あの金を使ったのか。琴音には皆目見当もつかなかった。

伊藤心優が怒りで声を荒らげる。

「川島治、あのクソ野郎……! 先に資産を飛ばしやがったんだ!」

親友の口から自分の予感と同じ言葉が出た瞬間、琴音の目が真っ赤に滲んだ。歯を食いしばり、震える声で呟く。

「……あいつ……あいつ、どうしてそんなことができるの……?」

「浮気まで平気でやる男だよ? できないことなんてない。琴音が信じすぎたから、何年も騙されたんだよ!」

心優は本気で悔しか...

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