第30章 挑発

画面に映っていたのは、高画質の自撮り写真だった。

二人の顔にはモザイクがかけられている。だがそれ以外は、布切れ一枚すら纏っていない。性別だって、ひと目でわかるほど露骨だった。

川島治が浮気していると知っていなければ、スマホがウイルスに感染したのか、アダルトサイトに目を付けられて、わざと目を汚す画像を送りつけられたのかと疑っていたはずだ。課金させるための餌――そんな安っぽい手口。

来栖琴音は震える手で番号を引っ張り出し、そのまま発信した。

今の彼女は、怒りで理性が吹き飛んでいる。

『申し訳ございません。おかけになった電話は電源が入っていないため――』

無機質な女性音声が耳に刺さった...

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