第35章 探り

川島治が以前、野村さんに持たせて来栖琴音へ見せたものとは、あまりにも内容が違いすぎた。

売上は、琴音の想定をはるかに上回っている。

しかも、かつて琴音が自分の手で掴んだ古参の取引先が、どれもこれも当たりだった。数年のうちに大きく育ち、今も会社と継続して取引を続け、利益の大半を叩き出している。

……なるほど。

川島治が自分に隠れてあれほどの資産を動かしていたのに、琴音がまったく気づけなかった理由が、ここにある。

からくりは帳簿の中。数字の皮をかぶった嘘。

来栖琴音は財務報告書を最後まで読み切ると、続けて顧客資料を手に取った。

――さらにおかしい。

野村さんが最初に渡してきた資料...

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