第38章 空港で足止め

「お客様にご案内申し上げます。J市発Y市行きの便は、天候不良のため、出発時刻を遅らせる見込みとなっております……」

ただでさえ父の容体が気がかりで落ち着かなかった来栖琴音は、その遅延の知らせを聞いた瞬間、さっと血の気が引いた。

広い空港のあちこちで、乗客たちの不満の声が上がる。

けれど相手は荒天だ。空港側にもどうしようもなく、案内カウンターの職員たちはひたすら事情を説明し、乗客をなだめ続けるしかなかった。

来栖琴音は一人、椅子に座って待っていた。年老いた両親が自分を待っている――そう思うだけで、胸が焼けつくほど焦る。

ちょうどそのとき、親友から電話がかかってきた。琴音はすぐに通話を...

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