第65章 帰宅

三日ぶりに、来栖琴音は再び夢生工場の門をくぐった。

正門では、唐沢夢生が工場の幹部たちを従えて直々に出迎えていた。

まるで要人でも迎えるような手厚さだった。

この日が、自分の運命を変える一日になる――そんなこと、来栖琴音は夢にも思っていなかった。

そして唐沢夢生は、口を開くなり彼女にとんでもない吉報を告げた。

独占供給契約を結びたい。

それだけではない。新会社設立のための出資として、2億をそのまま投じるというのだ。

来栖琴音は半ば夢見心地のまま、一連の手続きをひととおり終えた。

すべてが済んで外へ出たときには、まだ頭が追いついていなかった。

「唐沢社長、信頼していただいて、...

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