ポストゲーム

アダム視点

タッチダウンを一つ決めた。たった一つだ。

それだけ。俺の心が許してくれたのは、それだけだった。もう終わりだ。

フィールドを去っていく。息は途切れ途切れで、ジャージが汗で背中に張り付いている。空は雨でも降り出しそうに暗くなっている。あるいは、俺を哀れんで、この気分に寄り添おうとしてくれているのかもしれない。

吐きそうだ。失望の重みで肩が落ち、雪辱の望みから遠ざかる足取りは鉛のように重い。そして、まだエマーソンの姿は見えない。

たった一度のタッチダウンは、一瞬の希望の閃光のあと、消えていく電球のようだった。俺はしくじった。固まって、逃げ出した。心は周りに壁を築き、俺を箱の中に...

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