厄介な状況

エマーソン視点

痛み。

目を開けたとき、最初に感じたのはそれだった。特に左腕だ。動かそうと考えただけで、腕がけたたましく悲鳴を上げる。焼けるようで、脈打つようで、それでいてどこか痒い、そんな感覚が一度に襲ってくる。

一瞬、これがクソみたいな夢だと思った。俺は時々、やけに鮮明な夢を見る。これが夢であってほしい。そうすれば、目が覚めたときにこの絶え間ない痛みから解放されるはずだから。

だが、そうではないと気づくのに時間はかからなかった。肩を回してみただけで、拘束具が体に食い込む、あまりにリアルな感覚が、そのクソみたいな思い込みを打ち砕くには十分だった。

それでも、馬鹿みたいに俺はもう一度...

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