うまく利用するには

エマーソン視点

「なあ、ブラッド、ベイビー」俺は言う。最後の最後で、愛称を付け足すことに決めた。あいつはもう俺の彼氏なんだ。その事実と、それに伴うすべてに、そろそろ慣れるべきだろう。

ブラッドは黙り込んでいる。あまりに静かなので、俺は電話を耳から離し、まだ通話中か確認してしまったほどだ。通話は続いている。スマホを耳に戻す頃になっても、あいつはまだ何も話さない。一体どうしたんだ?

「ブラッド?」おそるおそる呼びかける。「聞こえてるか?」

「なんだ、エマーソン」

あいつの声は少しざらついていて、硬い。だが、それは俺のスマホのせいだと思う。この前殴られたときに落として血まみれにして以来、ど...

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