紛失した電話

エマーソン視点

ズキズキと痛む頭痛で目が覚めた。まだ暗いことに安堵し、唸り声を上げる。昨夜、窓を開けなかったせいで、少し息苦しい。

ベッドに仰向けのまま、身じろぎもせずにいると、胃のあたりに不安感がこみ上げ、重くのしかかってくる。しばらくはこの苦しみから解放されそうにない。

今日なんだ。

ただじっと横たわり、呼吸を繰り返す。吸って、吐いて。自分を落ち着かせようと試みる。口の中は乾ききって重く、それは目も同じだった。昨日は持てる限りの涙を流し尽くしたはずなのに、体はもう回復してしまったらしい。

脚を伸ばして、クソみたいに立ち上がることができない。ただここに、永遠に、繭に守られて横たわっ...

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