第12章 彼女はいったいどうしたのか?

彼女は深く息を吸い込み、足早に近づくと、しゃがみ込んで目線を合わせた。声は心配でいっぱいだ。

「北斗、痛い? 祈おばさんがスペアリブのスープ煮てきたのよ。北斗のいちばん好きなやつ」

「いらない」

北斗の声はくぐもっていた。林田柊の首筋に顔をうずめたまま、ちっとも顔を上げない。

相馬祈の手が、宙で止まった。

白鳥空弥が相馬祈を一瞥し、口を開く。

「祈。今日はわざわざ悪かったな。もう帰っていい」

相馬祈は林田柊に目を向けた。けれど林田柊は、彼女を見ようともしない。

床にしゃがみ込んだままの林田柊は、髪はぐしゃぐしゃ、服は皺だらけ。目は赤く腫れて、見るからに痛々しいほどにみすぼらし...

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