第13章 消せない

スープが煮上がったころ、二階から北斗の泣き声が聞こえてきた。

林田柊は火を止め、椀に一杯よそって手に取り、そのまま階段を上がる。

ドアを開けると、北斗はベッドの上にちょこんと座っていた。頬には涙の筋。左手で布団の上をめちゃくちゃに探っている。

林田柊の姿が目に入った瞬間、北斗は口をへの字にして、かすれて小さな声を絞り出した。

「ママ……いなくなっちゃったのかと思った……」

胸が、きゅうっと痛んだ。林田柊は早足で近づき、ベッドの端に腰を下ろす。

「行ってないよ。下で北斗のためにスープ煮てただけ」

椀をサイドテーブルに置き、タオルでそっと涙を拭う。北斗は身体を寄せ、彼女の腕に顔をう...

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