第19章 苦しすぎる。

「承知しました、白鳥社長。少々お待ちください」

秘書の川崎がそう応じ、二分ほどしてコーヒーを一杯載せたトレーを持ち、ノックして入ってきた。

白いマグカップ。湯気がほわりと立ちのぼり、デスクの端にそっと置かれる。

「白鳥社長、コーヒーでございます」

白鳥空弥は「ん」とだけ返し、顔も上げずにカップを手に取ってひと口含んだ。

その瞬間、眉がぴくりと寄る。

苦すぎる。

そのうえミルクが多い。舌に重たくまとわりつくような甘ったるさで、豆の香りが完全に死んでいた。

もうひと口、確かめるように飲む。

――違う。

白鳥空弥はカップを置き、指先で机を二度、こつこつと叩いた。

以前、林田柊...

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