第25章 家族

林田柊は小寺清の手を引き、レディースショップを足早に出た。

小寺清は怒りで顔を真っ赤にしながら、歩きつつ何度も後ろを振り返っては、あっちをきつく睨みつける。

「何なの、あいつら。あんたに説教できるような立場?」

林田柊は答えなかった。足取りだけが速い。3階の連絡通路を抜け、そのままエスカレーターへ向かう。

小寺清は小走りで追いつき、彼女の腕をつかんだ。

「柊ちゃん、無理に溜め込まないで」

「溜め込んでない」

「手、震えてる」

林田柊は自分の手を見下ろした。

たしかに、震えていた。

彼女はその手をコートのポケットに突っ込み、深く息を吸う。

一分ほどしてから、ようやく林田柊...

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