第49章 恥をさらす

白鳥空弥の力は、呆れるほど強かった。

目は開いている。だが視線はどこにも合っていない。完全に酔いに支配された、ただの反射だった。

彼は林田柊の首筋にぐいと顔を埋め、口の中で相馬祈の名をくぐもった声で繰り返している。

むっとする酒の匂い。その奥に、安っぽい香水のきつい甘さまで混じって、一瞬で林田柊の鼻を刺した。

胃の奥がむかつく。

林田柊は肘を思いきり白鳥空弥の胸に叩き込んだ。

「どいて!」

白鳥空弥は痛みに低くうめき、腕の力がわずかに緩む。

その隙を逃さず、林田柊は彼を蹴り飛ばした。靴を履く暇もないまま、部屋の隅にある一人掛けのソファへ駆け込む。

膝を抱えたまま、彼女はソフ...

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