第59章 そんな目で俺を見るな

林田柊は昨夜、電話を切るなりスマホを放り投げ、さっさと布団を引き寄せて朝までぐっすり眠った。

白鳥空弥が夜を外で明かしたくらいで、こっそり泣くような時期は、とっくに通り過ぎている。

いまの彼女にとって、白鳥空弥が家にいないのは――空気が少し澄むだけのことだった。

翌朝、目を覚ましたのはもう10時近い。

林田柊は身支度を整え、動きやすいトレーニングウェアに着替えて階下へ降りる。

階段の踊り場に差しかかったところで、リビングから白鳥祖母の怒声が飛んできた。

「よくも帰ってこれたわね。昨夜あんな真夜中まで家に寄りつかないで、妻と子どもを放り出して……この家のこと、少しでも考えてるの?」...

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