第230章 湘子の父親は絶対に死んだ

 あの写真のことを考えると、檸檬の心は穏やかではいられなかった。

 湘子の父親は、まだ生きている!

 だとしたら、あの時の交通事故も、きっと単純なものではないはずだ。

 東弥が訝しげに言った。「檸檬、どういう意味だ。湘ちゃんの父親はもちろん亡くなっている。当時、お前を助け出した後、父さんと母さんを助けに戻って、車の爆発に巻き込まれて一緒に亡くなったんだ」

「爆発で亡くなったのなら、顔も判別できないはずです。亡くなったのが本当に湘子の父親だと、どうして断言できるんですか?」

「当たり前だ、そんなことに間違いがあるものか。当時、湘子の父親が運転していた車を俺は見ていたんだ。間違いはない」...

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