第314章 彼女の笑顔はナイフのよう

檸檬は全てをやり終えると、憤慨する東弥を見つめた。「代理購入を頼んだのは湘子であって、私じゃないわ」

「檸檬、お前、気でも狂ったのか? たとえ俺が勘違いしていたとしても、顔に投げつけるなんてことがあるか!」

東弥は怒りで我を忘れそうになりながら、秘書が差し出したティッシュで顔を拭った。

檸檬は笑みを浮かべて言った。「これでちゃんと覚えてくれたでしょう。これが好きなのは湘子で、私じゃないって。むしろ感謝してほしいくらいよ」

タクシーが来たのを見ると、檸檬は身を屈めて車に乗り込んだ。

東弥は怒りに任せて大声で叫んだ。「檸檬、降りろ! まだ聞きたいことがあるんだ。あの日の梨園で、詩乃をわざ...

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