第41章 ぶりっ子の小さな策略がばれた

高坂檸檬の眼差しは漆黒に染まり、まるで人を喰らうかのようだった。

相沢湘子は一歩後ずさる。「檸檬姉さん、そんな目で私を見てどうしたの?文房具を床に落としたのは、私じゃないわ」

高坂南斗が歩み寄ってきた。「檸檬、どうしたんだ?」

高坂檸檬は懸命に、心の底から湧き上がる怒りを抑え込んだ。「文房具が壊れてる」

「壊れてるわけないだろう?」

文房具に目をやった高坂南斗は、顔色を大きく変えた。「先に中へ入ってろ。すぐに新しいのを買ってくるから」

高坂檸檬は心の中で少し後悔していた。高坂の家に住むべきではなかったのだ。

今回は彼女の油断だった。

高坂檸檬は篠崎千謙に電話をかけるつもりだった...

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