第74章 俺について来い、俺はお前の実の兄貴だ

高坂檸檬はテーブルを掴んだ。「放して!」

篠崎千謙が歩み寄ってきて、高坂南斗の前に立ちはだかった。「提携を解消したいのなら、今すぐお引き取りください。高坂檸檬はあなたの飼っているペットじゃない。彼女には選択の自由がある」

高坂南斗は為す術なく、承諾するしかなかった。

一行はそのままレストランへと向かった。

高坂南斗は篠崎千謙に視線を向ける。「篠崎さん、まさか本業以外に、これほど幅広い趣味をお持ちとは思いませんでした」

篠崎千謙は冷ややかな口調で応じた。「ええ、少なくとも俺の家族は【いわゆる公平】のために、俺の趣味を抑圧したりはしませんでしたね」

高坂檸檬は口の端を上げた。彼は南斗兄...

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