第180章 彼女を庇うしかない

気まずい沈黙がその場に降りた。

黒田奏多の眉間も、海人のその一言でわずかに緩んだ。

橘芹奈は服についた埃を軽く払い、陽菜の手を引いて部屋の方へと歩き出した。

「ママ、明日は立木武おじさん、練習あるの?」

泣き止んだ陽菜が、不思議そうに尋ねた。

ちょうど窓辺を通りかかったとき、橘芹奈は外の景色に目をやった。

「明日は練習お休みよ。吹雪がひどいから」

「じゃあ、何して遊ぶの?」

橘芹奈は窓の前で足を止めた。外では雪が際限なく降り続いており、彼らが到着してから一度も止む気配がなかった。

「スキーに行きましょうか」

ふと、以前氷川昴と話していたことを思い出した橘芹奈が提案した。

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