第204章 彼女は無冠の王

ウェインがチームのメンバーに引きずり出された後、数人がかりでようやく、暴れ回るシェリーを取り押さえることができた。

指示を出してシェリーを一つの部屋に引きずり込ませると、ウェインもすぐさま後を追い、彼がこれほどまでに取り乱しているのを見て、思わず手を伸ばして平手打ちを食らわせた。

「目を覚ませ!」

シェリーは涙と鼻水を垂らし流し、顔面をぐしゃぐしゃにして、酷く汚れた顔つきになっていた。

彼はウェインを、まるで命綱でも掴むかのように握りしめ、涙をぽろぽろとこぼした。

「ウェインの兄貴、さっき本当に橘芹奈の声が聞こえたんだ、彼女がまた戻ってきたんだ!」

ウェインはシェリーの衣服をしっ...

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