第205章 神壇からの転落

マシンがフィニッシュラインを駆け抜け、ヴィクトリアのタイムが確定した。

二位の立木武に四十二秒という圧倒的な大差をつけ、見事世界記録を更新。新世代の世界チャンピオンが誕生した瞬間だった。

フィニッシュラインを切った瞬間、橘芹奈の頭の中は真っ白になった。

八年前には成し得なかったことを、ついにやり遂げた。あの日の夢が、ようやく叶ったのだ。

チームの皆にも納得のいく結果で応えることができたし、これでようやくゾーイも安心できるだろう。

ドアを押し開けてマシンを降りた時、橘芹奈は指揮席に立って激昂しているウェインの姿を真っ先に捉えた。

口の動きを見ただけで、どれほど汚い言葉を吐き捨ててい...

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